おかしくないか!日本の弁護士・弁護士会
本懲戒処分は、平成27年2月13日に取り消されました。
詳しくはこちらをご覧ください
日本弁護士連合会からの通知はこちらをご覧ください
棚瀬孝雄弁護士懲戒処分の検証結果から
「自由と正義」5月号に棚瀬孝雄弁護士の懲戒処分の要旨が掲載されました。
まずは、その内容をご覧ください。
東京弁護士会がなした懲戒の処分について同会から以下のとおり通知を受けたので、懲戒処分の公告公表に関する規定第3条第1号の規定により公告する
1 懲戒を受けた弁護士
氏 名 棚瀬孝雄
登録番号 37340
事務所 東京都千代田区内幸町1
棚瀬法律事務所
2 処分の内容 戒 告
3 処分の理由
(1)被懲戒者は懲戒請求者が提起した離婚訴訟において妻の代理人であったところ2010年7月30日頃、懲戒請求者の勤務状況や勤務実態についての情報提供を求めるために、懲戒請求者の勤務先に電話をかけ懲戒請求者と離婚訴訟中の妻の代理人であることを述べた。
(2)被懲戒者は懲戒請求者を相手方とする面会交流に関する審判について妻の代理人であったところ、2010年7月29日懲戒請求者に妻と長男を面会交流をさせるよう命ずる旨の審判が出された後、懲戒請求者から代理人弁護士を介して連絡してほしいと再三求められたにもかかわらず、同年8月11日から13日にかけて同月の面会交流の方法に関する要求等を記載したメールを懲戒請求者に対して執拗に送り続けた。
(3)被懲戒者の上記(2)の行為は弁護士職務基本規定第52条に違反し上記各行為は弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
4 処分の効力を生じた年月日
2013年12月24日
2014年3月1日 日本弁護士連合会
棚瀬孝雄弁護士は、別居・離婚後の親子の絆が断たれないよう親子交流の早期再開と適切な面会交流を実現するため、心血を注いできた人物であることを、改めて説明することもないでしょう(ご存知ない方は、親子ネットのホームページにも度々登場していますので、そちらもご覧ください)。
先日亡くなられた棚瀬一代さんは棚瀬孝雄弁護士の奥さまでもありました。故一代さんは臨床心理士として、子ども心理の面から、早期かつ頻繁な親子交流の重要性を説き、それを担保する制度として、アメリカの事例を最期まで紹介していらっしゃいました。法学と心理学の両面から文字通り夫婦二人三脚で、別居・離婚後も親子が笑顔で会い続けられる社会の実現に邁進してきたのです。
親子ネットでは、本懲戒処分に疑問をもち、棚瀬孝雄事務所に出向き入念なヒアリングを実施しました。棚瀬弁護士自身が、自らの事務所のホームページで事情説明をしていますが、これだけで全体像を理解しにくい部分もありますので、誰にでも理解できるようできるだけ噛み砕いた補足解説を試みます。
まずは、本懲戒処分の問題点を指摘し、如何に不当な懲戒処分であるか説明します。次に、この懲戒処分を通し透けてみえてくる、子どもの利益に無責任で利益追求型の弁護活動が野放しになっている実態、及びそれを容認している弁護士会の実態を指摘したいと思います。そして最後に、弁護士や弁護士会の振る舞いが今後も変わらないのであれば、子どもの連れ去りや親子引き離しを教唆している弁護士、およびそれらに無理解・無関心な弁護士会に対して、素人の私たちが何ができるのか、その対抗手段について提案したいと思います。
今回のヒアリングをして感じたことは、離婚ビジネスを生業としている弁護士によって棚瀬弁護士が狙い撃ちされた可能性が高いということです。そう考えるのが妥当であろうという考えにいたったのは二つの側面からです。一つ目は、本懲戒処分に関して、手続き違反がみられることです。二つ目は、懲戒理由が、「正当性」「相当性」「先例適合性」を著しく欠いており、全うな法曹界の人間の判断とは思えなかったからです。以下に詳しく説明していきます。
1.棚瀬孝雄弁護士の懲戒処分の解説
1-1.手続き上の違反について
まずは図1をご覧ください。弁護士の懲戒請求の流れと、本懲戒処分の経緯を示したものです。通常ではありえない手続き違反が3点ありました(赤枠部分)。これら3点についてさらに詳しく説明します。
(クリックすると大きな図が表示されます)
(1)手続き違反について
(懲戒請求者が異議申し立てをしていない請求理由についても綱紀審査会が審査相当と決議し、東京弁護士会懲戒委員会がそのまま審査対象とし続けたこと)
懲戒請求は、綱紀委員会で審査不要(懲戒事由はない)と判断されても、懲戒請求者は異議申立てをすることができます。本件においては、懲戒請求者は懲戒請求理由を2つあげています。請求理由1は、「棚瀬弁護士が申立人の勤務先に架電し、離婚訴訟中の妻の代理人であることを述べた」というものです。請求理由2は「棚瀬弁護士が懲戒請求者に代理人を介さず直接メールをした」というものです。
第一審にあたる東京弁護士会の綱紀委員会でどちらの理由も、「事実の審査を求めない(懲戒事由はない)」と決定したため、申立人は、理由2に対してのみ、日弁連の綱紀委員会に異議申立てをしました。
ですので、日弁連の綱紀委員会は、理由2に対してのみ、審査しています。ここまでは手続き上何の問題もありません。なお、第二審にあたる日弁連の綱紀委員会は、この異議申立てを棄却しました。
この決定を受けて、懲戒請求者は、理由に2に対してのみ、綱紀審査会に異議申立てをしています。これもまた手続き上問題ありません。
手続き違反はこのあと、第三審にあたる綱紀審査会で起こっています。何故か突如、綱紀委員会は異議申立てされていない理由1に対して、審査対象とし、審査結果は理由1、2ともに「審査相当」となりました。家裁等で裁判を経験し、その後控訴した経験がある人であればわかると思いますが、異議申立てされていない項目まで、審査されることはありません。
綱紀審査委員会は、学識経験者(弁護士、裁判官、検察官およびそれらの経験者を除く)である委員のみで構成されるとありますので、好意的にみれば法律の知識がなく、異議申立てされていないものまで、誤って審議対象にしてしまったのかもしれませんが、手続き上問題があります。
次に第四審にあたる、東京弁護士会の懲戒委員会に諮られています。東京弁護士会の懲戒委員会メンバーは弁護士ですので、法的知識がないはずはありません。しかし、異議申立てされていない理由1をそのまま審査対象とし、理由2と併せて、戒告処分としています。明らかな手続き違反です。
(2)手続き違反2について
(反論の機会さえ与えられなかったこと)
前審の日本弁護士会の決定を取り消して、不利益判断をするに際し、棚瀬弁護士は綱紀審査会で反論の機会が与えられていません。処分を受ける者の手続き的権利が侵害されたままの決定になっています。これも、控訴を経験している当事者であれば、相手方の言い分だけで一審が覆ることなど有り得ないということを想像していただければ、重大な手続き違反であることがわかるかと思います。
(3)手続き違反3について
(不正な委員が懲戒委員会に関与していたこと)
東京弁護士会懲戒委員会には、類似の別案件(子どもの連れ去りと長期にわたる面会全面拒否)で激しく対立する弁護士が関与していました。このような立場の人間が棚瀬弁護士を裁く立場になるのは、公正さを疑わせるものであり、通常許されないことです。棚瀬弁護士が懲戒委員会に出席し不正に気づき、抗議するまで放置されてきたのです。不正な委員(弁護士)が関与したまま審査が続けられていたことが手続き違反の3つ目です。
不正な委員は辞退をするどころか、審査の当日、個人的怨念があるかのごとく、罵倒に近い詰問をしています。審査期日後に、棚瀬弁護士が東京弁護士会宛に文書で指摘し、審議終盤になってやっと、この委員はメンバーからはずれたのでした。この委員によって、懲戒委員会メンバーの心証は大きく影響を受けてしまっているわけですから、本来はメンバーを入れ替え、審査のやり直しをすべきでした。しかし、そのまま議決されてしまっています。
ここまでは、懲戒処分を課すうえでのプロセス上の問題点について記述しました。人を処分するわけですから、公正でなければなりません。上記が公正なプロセスを経たとは言い難い状況であることがご理解いただけたと思います。もっと重要なのは、事実に即して、適切に処分しているかどうかです。次にその点について、補足していきます。
1-2.懲戒理由としての「正当性」「相当性」「先例適合性」への疑問
正当性とは、その行為をする必要性があったのか、また緊急性があったのかという観点です。相当性とは、弊害の少ない方法を選んだかどうか、つまり「やり過ぎ」ではなかったかという観点です。先例適合性とは、過去の事件に比べて、公平かどうかという観点になります。
1-2-1.請求理由1について
請求理由1は本来、「審査不要(懲戒事由なし)」と判断され、その後、異議申立てすらされていないのですから、ここで論じる必要もないのかもしれませんが、事件の経緯をおさらいする意味で触れたいと思います。「棚瀬弁護士が懲戒請求者の所属する会社の人事部に架電し、懲戒請求者の妻の代理人であることを伝え、勤務状況について文書で回答するように求めた。この架電により、会社に知られたくない離婚訴訟中という情報を人事部に伝えられ、社内評価を低下させた」というのが、懲戒請求者の言い分です。
(1)正当性(必要性、緊急性)
勤務実態について、資料の任意開示が可能か会社に問い合わせることは、弁護士の実務として広く行われています。弁護士は、証拠を自ら収集することが原則であり、まずは個別折衝し、どうしても入手できない文書については、弁護士会紹介や裁判所の嘱託手続きに委ねることになっています。
本件は、離婚訴訟も大詰めになり、別居後の勤務状況から幼児を手元において監護できるかが争点になっていたため、まずは任意での資料開示を求めたものです。
(2)相当性
問い合わせ先は、会社の人事部です。人事部は社員のプライバシーを守ることを義務づけられ、社員の情報を預かる部署です。既に別居が1年半以上続いていたわけですから、別居していることは申告していなければならない状態であったはずです。訴訟の内容を知らせたわけでもありません。任意で情報を取得するために、身分を名乗るのは当然であり、離婚訴訟の相手方弁護人であると最低限の内容を告げたに過ぎません。「やり過ぎ」とは到底思えません。
懲戒請求者は自らのブログで、自らが離婚調停中で訴訟に移行する可能性が高いと書き、子どもの名前を実名入りで、さらには自分の写真と子どもの写真、元妻の写真まで掲載していました。本当に何も知られたくない人が、ブログにこのような状況を開示するでしょうか。
(3)先例適合性
弁護士による給与や年金、扶養の情報の取得はしばしば行われています。非監護親と子どもとの接触を妨害する悪徳弁護士が、認定もされていないDVをでっちあげ、会社に対して健康保険の被扶養者の脱退手続きを迫るなど、卑劣極まりないものまでまかり通っていますが、懲戒処分をされた例を知りません。
離婚訴訟をしていることは事実ですが、DVと認定されてもいないのに、主観的な訴えによりDVのレッテルを貼られることは、本当に屈辱的で、社会的信用のダメージははるかに大きいものです。本案件と、整合性が保たれているとはとてもいえません。
上記の(1)(2)(3)を勘案すると、本件で、「弁護士として品位を失うべき非行」に該当するから懲戒処分に付すというのには、かなりの無理があるというか、言いがかりに近いものを感じます。
1-2-2.請求理由2について
請求理由2は、「懲戒請求者の代理人弁護士の承諾を得ることなく、懲戒請求者に直接メールし、執拗に面会交流の具体的実施方法について交渉した」というのが、懲戒請求者の言い分です。図2に審査対象となっているメールの流れを示しました。この図を使いながら、解説します。
(クリックすると大きな図が表示されます)
(1)正当性(必要性、緊急性)
上記が、懲戒処分の対象となったメールのやりとりと、そのメールのやりとりをするに至った、懲戒請求者Aさんと、棚瀬弁護士のクライアントであったBさんのやりとりになります。懲戒請求者の代理人弁護士の承諾を得ることなく、懲戒請求者に直接メールし、執拗に面会交流の具体的実施方法について交渉した」というのが懲戒処分の理由として、妥当かどうか検証していきましょう。
懲戒請求者のAさんから、棚瀬弁護士のクライアントBさんに対して、「次回の面会交流を審判で指定された方法で前倒しでやりましょう」と直接メールをしたことから始まります(①)。Bさんは、Aさんに対して、「私の代理人に連絡して欲しい」と依頼しましたが、「話がややこしくなるから代理人を介したくない」と返答がありました(②)。Bさんは、Aさんからの着信を拒否するとともに、困り果てて棚瀬弁護士に助けを求めています。
棚瀬弁護士は、Bさんに代わって議論を引き受けることにし、Aさんに対してメールをしています。以降、Aさんへの回答に対して、Aさんの代理人を写しに入れています(Aさんが、棚瀬さんだけにメールすると書いていたときは、Aさんだけに返答しています)。
どうして、棚瀬弁護士がAさんに直接メールをしなければならなかったのかは、2つの理由があります。Aさんの代理人は、お盆休みであり連絡がとれないから、本人に連絡する以外に方法がなかったからです(必要性)。もう一つは、お盆休みから戻ってくることを待っていたら、面会実施日が過ぎてしまうという緊急性があったからです。途中、Aさんは、「以降、私の弁護士を介して連絡くださいますようお願いします」と書いていましたが、一方で数日後に迫った案件に対して、自身の弁護士はお盆休みで不在だとも言っており、身勝手と言わざるをえないでしょう。
例えお盆休みであっても、今の時代です。Aさんは、自身の代理人に携帯電話で連絡することは容易で、Bさんへの連絡の要請も、棚瀬弁護士と自身の代理人との直接交渉の要請もできたはずです。棚瀬弁護士はAさんの代理人の携帯番号はわからず直接連絡できないので、メールの写しには、Aさんの代理人を入れていたのです。
棚瀬弁護士が、まだ効力の発生していない面会交流の審判(効力が発生するのは9月から)に対して、Aさんにメールをせざるをえなかったもう一つの理由は、Aさんが、審判に従った面会交流方法が「同席面会」だと、素人のBさんに迫ってきたからでした。審判は、Bさんと子どもの「単独面会」を命じています。実はAさんは法律の専門家でもあります。Aさんが「審判の決定は、これまでやってきた面会方法と同じことを言っている」ともっともらしく説明すれば、素人のBさんが反論するのは難しいのです。Bさんに対して巧みに、あたかも審判の決定がそれまで同様の「同席面会」であるかのように、同席を求めてきていました。
審判官に対して、片親疎外に陥っている子どもに対する面会方法として「単独面会」の必要性を説き、たったの1ヶ月に1回4時間の面会ではあったけれども、Bさんがやっと獲得した面会方法でした。8月15日の面会交流は、まだ審判の効力がないわけだから、同席面会は審判に沿ったものではないということを明確にしておく必要がありました。Aさんは8月15日の面会も審判にそったものだとして前倒ししたかのように装い、実績を作り、「単独面会」を前提にした審判そのものを骨抜きにしようと図ってきました。だから、それを絶対に阻止する必要があったのです。
少し横道にそれますが、非監護親との面会を拒否する監護親が最も恐れることは、自分がいないところで、子どもと非監護親が交流を深めることです。逆に、「片親疎外」を解くもっとも効果的な方法は、監護親の顔色を伺うことなく非監護親に会う真の交流できる空間を設定することですから、面会交流を推進する弁護士が最もこだわるべきポイントになります。
離婚ビジネスで儲けたい、あるいはそれで弁護士の雇用を維持したいと思う一部の弁護士会メンバーが、真の心温まる面会交流の方法や重要性を理解していない綱紀審査会メンバーや一般の弁護士を丸め込み、不当な屁理屈をこねくりまわした光景が目に浮かびます。
(2) 相当性
次に、「やり過ぎ」があったかどうか考えたいと思います。懲戒請求者と棚瀬弁護士のメールのやりとりは、最初のメールから⑲のメールまでが26時間で、⑳までが一日半に間の出来事です。前にも後に、緊急度が高かったこの時以外、メールも電話も一切したことはありません。
(3) 先例適合性
この類のメールのやりとりで、過去に懲戒処分になっているケースを知りません。
上記の(1)(2)(3)もまた、弁護士として品位を失うべき非行に該当するから懲戒処分に付すというのであれば、弁護士会の品位と正義を疑います。
2.子どもの利益に無責任で利益追求型の弁護活動が野放しになっている実態
本件の場合では、「単独面会」を勝ち取るまでに一年半を要しました。その間に行われた試行的面会に際して、懲戒請求者の代理人はBさんに対して、子どもに直接言葉をかけること禁止する条件をつけていました。子どもと交流したいけどできないでいる立場の弱いBさんはそれを受け入れるしかありませんでした。その条件が子どもにどんな利益を与えるのか私たちには理解できないですし、そんな残酷な発想ができることに驚きを覚えます。
残念なことですが、3年経っても5年経っても会えないでいる親子が日本には多数います。弁護士が介しても会えないのです。実際は上記の例のように、子どもの最善の利益に無知・無理解な弁護士が介するとますます会えなくなる、悪徳弁護士が介在しようものなら、たった一度の人生の掛け替えのない親子関係をずたずたに壊されてしまうと言った方が的を射ています。
何故なら、こうした弁護士は、非監護親と子どもの交流を妨害します。あるいは、口先では「面会交流の重要性はわかっている」と言いながら、面会交流の開始を、あれやこれやと理由をつけて遅延させます。中には「クライアントの利益だから」と言い逃れる弁護士もいます。面会交流を交換条件にすれば離婚交渉が有利に進められ、自分自身の儲けになれば、それで構わないと思っているのでしょう。しかしその間、「片親疎外」はどんどん進行し、時間が経てば経つほど親子再統合が難しくなってしまうのです。
子どもを連れて家を出てもう一方の親に子どもを会わせなければ有利に事を運べると書籍に書いたり、(虚偽であっても実証はされないから)DVを申し立てれば離婚訴訟の勝訴は鉄板で、面会交流の制限もできると教唆したりする弁護士もいますが、それでも弁護士会は黙認したままです。
ここ数年で面会交流の重要性も認知度も上がり、親子断絶防止法の制定に向けて議連も立ち上がりました。弁護士会は、子どもの連れ去り教唆と親子引き離しなど、非人道的で卑劣な手法により儲けてきた弁護士が仕事を失うことを懸念し、そうした離婚ビジネスでしか儲けられない弁護士の雇用を守ろうという意識が働いているのかもしれません。
他国では裁判所が弁護士の懲戒業務を行うことが多いのですが、日本の弁護士会は、弁護士会自身が懲戒業務を行っているという特徴があります。弁護士会には、自らの組織を自らで襟を正すことができるという推定のもとに、このような特権が与えられているはずです。日本の弁護士会にも健全な倫理観があるのであれば、子どもの利益が何かを鑑み、かつてのアメリカの弁護士会がそうしたように、早期に弁護士会自らが、親子交流を妨害する弁護を禁止すべきだと考えます。
3.私たち当事者が悪徳弁護士に対抗する手段について
棚瀬孝雄弁護士の他にも、数は多くはないけれども、子どもの最善の利益のために必死に動いてくださっている弁護士がいます。この懲戒処分の狙いは、そうした弁護士の活動意欲を委縮させることだと考えられます。何故なら、最初に解説したように本懲戒処分は、手続き的にも内容的にもおかしいからです。
面会交流事件や離婚事件に現在日本で一般的に行われている弁護活動は、面会交流を取引条件にして金銭面での有利な条件を導きだそうとすることや、別居前まで本当に仲の良かった親子なのに、子どもが非監護親を忌避しているという言質を誇張し面会制限を促すものです。子どもの利益の視点にたった時、これらの弁護活動は、世界の潮流からは大きく隔たりがあるどころか、非難される恥ずべき行為です。
子どもの利益を守るために毅然として、また相当のやり方で実施した行為に対して、事の本質をみずに形式的に懲戒処分をくだす弁護士会に、子どもの利益を守るための弁護活動に転換する自浄作用が働くとは思えません。弁護士会が自ら動かないのであれば、DVのでっちあげや、子どもの利益を顧みない悪質な引き離しを平気でする弁護士に対して、被害を受けた当事者自らが訴えていくほかありません。今回の懲戒処分を正当とするのであれば、悪徳弁護士の言動はほとんどすべて懲戒処分対象となるはずです。
懲戒請求は誰にでもできます。過去のことでも、3年以内なら遡って懲戒請求可能です。そして費用はかかりません。視点を変えると、本懲戒処分によって、弁護士に非行があった場合は即座に懲戒請求することで、悪徳弁護士の卑劣な活動を躊躇させ、安易に親子関係を壊されないようにする防御策になり得ることを示してくれました。もちろん事実に即している必要があります。虚偽の懲戒請求はダメです。
弁明には労力がかかるため弁護士が弁護士を懲戒請求するというのは稀ですが、私たちは素人ですから、弁護士の非行は非行だと申し立てることに遠慮は要りません。素人の強みを活かそうではありませんか。「品位を失うべき非行」を受けた人が、泣き寝入りせず懲戒請求をすることで、弁護活動を適正化させることができるのであれば、懲戒請求制度を積極活用すべきだと考えます。
弁護士の懲戒請求の方法は、こちらが参考になります。
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